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狂気じみたモナー飼い小説 (だばば)

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匿名ユーザー

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「もなぁ!」
突然目の前に真っ白な物体が。
急いで後ずさってみると、モララーが満面の笑みを浮かべ、
白い何かを俺に押し付けていることがわかった。
「っんだよッ!」
「俺、モナー買ってもらったんだよ!」
モララーが抱きかかえている白い物体を良く見れば、
和やかな笑顔を浮かべているAAペット「モナー」。
「うわ、お前コレどうしたんだよ!」
「コレとは酷いなぁギコ。どうしたもこうしたも、母さんに買ってもらったんだよ」
モララーは鼻をトントンと叩いてみせると、
「テストで100点を3連続しちゃったからねん」
「なるほどね…」
可愛いもの好きってわけでも無い俺だが、
このモナーはなるほど可愛らしい。
「へぇ、いいなぁ」
「ギコも、誕生日プレゼントとかでもらえばいいじゃん」
俺の誕生日は少し前に過ぎた。
来年…かぁ。
そうだ!なら、お年玉で買えばいいんじゃん!
「なぁ、モナーていくらすんの?」
「っとなぁ、何万か、何十万か……」
「たっけぇ!」
んなもん買えるかっつぅの!!!
「じゃ、俺、モナーの散歩行かなきゃだから」
「もなもなっ!?」
散歩と聞いただけでモナーが喜ぶ。
やっぱり可愛らしい。
「おう、じゃあな…」


俺は家で独り考えてみる。
テストで100点なんて、3連続どころか1回でも難しいっつの。
「か、母さん…」
「なぁに?ギコ」
「も、も、も、モナー、買って欲しいんだけど…」
一瞬殺気を感じた。
「何を言ってるのよ!モナーなんてたっかい高い!」
「わ、わぁかったよ!」
俺は慌てて部屋に飛び込む。
これ以上なんか言われちゃたまんねぇ。


「おはよーう」
「オッス、ギコ!」
翌日、学校では、モナー話が持ち上がっていた。
「ギコはモナー持ってる?」
「欲しいんだよな。なにしろ、高いもんでさー」
「ふーん、なんだ、持ってないんだ」
「俺持ってるよ」
とモララー。
「まじまじ!?あれさぁ…」

あれ?俺……話に入りきってない?

「あ、あんさぁ」
「ん?」
「き、昨日のあのTV見た?」
「見てない モナーの世話してたから」

終わった………



モナーが欲しい。
とてつもなく欲しい。
毎晩俺はモナーの夢を見る。
「父さん、母さん、頼むよ!モナーが欲しいんだ!」
この頼みは何十回にも及んだが、
「いい加減にしないと、母さん本気で怒るわよ!」
あーあ…。


学校でモナーを自慢げに語るヤツらが憎い。
最近ではしぃもモナーを飼いはじめたという。
しぃは俺の彼女だ。
俺が、しぃの話に入れなかったら、しぃはどう思うのだろう。
ダサいと思うだろうなぁ。ちっくしょ。





「ギコぉ、モナー買ってもらえねぇのかよ」
「んな簡単に言うんじゃねぇよ」
「シケんなぁ」
し、シケる……!?
「ギコはつまんねぇからパスーっ」
そ、そんな………
しぃが俺を見てる。
不思議そうな顔して見てる――…っ
「あ、あーあッ!黙ってたかったのによォ」
「え?」
「俺、明日モナー買うんだ」
「まじ!?さっすがギコ!」
「へへっ」
やっちまったよォ――……
あ、でもしぃが恍惚の表情で俺を見てる。
ま、まぁ、いいだろう。






「どーしよー。モナーなんて買ってもらえねーのによ…」
帰り道。俺は石ころを蹴飛ばし、川の近くを歩いていた。
みんなの視線が怖ぇぇ…………
「お?」
目の前にはモナー。散歩中か?
っていっても、モナーは泥だらけで、弱っている。
この前TVで特集やってた―…捨てモナーだ!
「お、おい!大丈夫か!?」
モナーは弱弱しく近づいてくる。
「モナ…」
俺の頭の中では何かが決まっていた。
「ウチに、くるか?」
「モナっ!!!」
「よろしくな。えっと……ルモナージ」
「ルモナージ?もなもな?」
「お前の名前だよ!」
「もな!!モナは、ルモナージ!」
ぴょんぴょんと跳ねて喜ぶルモナージ。
やっぱ、可愛いなぁ。






「別にいいわよ。世話するんなら」
「ほ、ほんとっ!?」
「えぇ」
母さんが、飼っていいという許可をくれた。
ルモナージも嬉しそうだ。
母さんはもう「ルーちゃん」という愛称で呼んでいる。
「もなもなっ」
明日からが楽しみだ。
「よろしくな、ルー」
「もなっ」






「ギコのモナーはルモナージってえんだ?」
「あぁ。ルーって呼んでんだ」
「へぇーッ」
モナーの話がこんなに弾むものだとは知らなかった。
今モララーと話しているが、色々と面白い裏話をしてくれる。
ちなみに、しぃのモナーは「さくら」という♀モナーらしい。
「モナーは、芸達者で、教えて無くても色々見せてくれるぜ」
「ふーん、どんなん?」
「たとえば、ガンプレイとか、剣道、柔道、弓道、バスケに野球にサッカーに卓球……」
「まじ!?俺のルーもすっかな!?」
「あったりめぇよ」
「へぇーッ」
「ギコくんのルーちゃんとワタシのさくら、仲良くなれるかしら」
突然しぃが会話に入ってきた。
「モナーたちは誰とでも仲良くなる。よっぽどの悪人はわかるらしいがな」
「じゃあ、今日、みんなでモナーを持ち合いましょうよ」
「賛成っ」
よっし!俺のルーは風呂にいれて綺麗にもしたし、バッチシだ!






「さくら、ルーちゃんのこと気に入ったみたい」
「しぃ、ルーは♂だったぞ」
「あら、じゃあルーくんね」
クラスでモナーを持ってる人らが公園に集合した。
個性的な服をきせてたりもする。
「俺のモナーの名前はモナーン。ギコのルーと仲良くなったみたいだな」
モララーのモナーンとルーは親友のようだ。
今日見て思ったが、クラスのフーンのモナー、ガルモナルは格好良い。
本人と同じようにクールだ。
ガルモナル、モナーン、さくら、ルーというメンバーのグループができた。
それを機会に、フーンともだいぶ仲良く。
モナーのグループのメンバーと同様のメンバーで、グループが完成。
「ん?おい、ギコのルーが、しぃのさくらになんか渡してるぞ」
フーンに言われてみると、ルーが顔を真っ赤にして、プレゼントを渡している。
さくらが開けてみると……
「まぁ!ギコくん、ルーくんがさくらにペンダントをプレゼントしたわ!」
本当だ。宝石ではなく昔懐かしのプラスティックだが、確かにペンダントだ。
「もなもなぁ」
さくらも嬉しそうだが、一体全体…?
「あ!それ、俺が昔、祭りのくじびきで当てたやつだ!」
女モンかよ、ついてねぇ。と言いつつ、記念にとっておいた。
ルーが欲しがっていたのであげたものだ。
「ペットが、恋人のペットと付き合うだなんてな」
俺は言ってみたが、なんだか逆に照れくさかった。







数日後。クラスメイトの、ぃょぅが泣いて学校にきた。
「ど、どうしたんだよ!」
「ボクのモナーが、さらわれちゃったんだよぅ…」
「え!?誘拐!?」
「そうだよぅ…」
「モナーの誘拐なんてあんだな………」
「で、警察には言ったのか!?」
「うん。でも、対処をどうしたらいいのかわかんないって……」
フーンがやってくる。
俺が説明すると、しばらく考え込む。
「なんで誘拐だってわかんだ?」
言われてみれば確かに。
「モナーが争った形跡があるんだよぅ」
そういえば、ぃょぅのモナーは外で飼っていると聞いた。
父親がトラウマだそうで。
「酷い話だな。だが、警察も真面目に対処するかどうだか」
「え!なんでだよ。ひっでえ話なんだし、警察だって同情してくれるだろ!?」
「そうでもないはずだ。そうだろ、ぃょぅ?」
「フーンはなんでもお見通しだよぅ。そうだよぅ。警察の人、なんか受け答えが適当で……」
「ひっでぇ」
「仕方が無い。いつか出てくるだろうと思ってはいた。高いし、大人気のモナーだ」
俺の頭の中でルモナージの顔が浮かんだ。
そういえば、アイツ捨てモナーだったんだよな……
でも、「捨て」じゃなくて「迷い」モナーだったら?
俺も、モナーさらい……?
いや、アイツは捨てモナーだ。
それに、もうルモナージだ。モナーじゃない。
そうだ。俺のモナーだ、アイツ。







「もなもなっ」
「うわ、やめろよくすぐってえ」
ルモナージと遊びの途中。
「よし、散歩連れてってやるよ」
「もなもなぁっ」


「もなっ……」
ルモナージが電柱の前で止まる。
「ん?」
電柱には探しモナーのポスター。
「名前は……モーナッグ」
「もなっ」
「ん?知ってんのか?まぁいいや、で、♂だってな」
ふーん…可哀想に。
「随分と前から迷子らしい。モーナッグは……」
「もなっ」
「いちいち反応するなって。モーナッグは光る物が好きだってね」
なんかなぁ……引っ掛かる…
「行くぞ、ルモナージ」
返事がない。そんなこと初めてだ。
「る……もな…じ………」
なんか言ってる。
「ルモナージ?」
「もな…ルモナージ…も……な…ぐ…」
「おい、行くぞって!ルモナージ!」
しかしルモナージは呼ばれても返事をしないし、ポスターを食い入るように見つめている。
「ルモナージ!」
「ルモナージ、モナッグ!もなもなっ、ルモナージ、モナッグ!」
わけがわからない。
「ルモナージ!ルモナージ!おいおい、返事しろよ…」
仕方が無いから、ポスターに近づいて、もう一度読んでやることにした。
「モナッグは…」
「もなっ」
「モナッグに返事してルモナージに返事しないってどういうことだよ。反抗期か?」
モナーに反抗期なんてあんのか?
「モナッグ」
「もなっ」
「モナッグ……?」
「もなっ」
まさか……な?
「お前……モナッグか?」
「もなもなぁっ」
嘘だろ。
 う そ だ ろ う そ だ ろ う そ だ ろ う そ だ ろ 
「モナ、モナッグ、帰る!」
ルモナージはポスターに書かれた住所を指差した。
「い…いかせるかよ……」
「もな?」
「お前はルモナージだ!返してたまるか!」
ルモナージは驚いてる様子だ。
「け、けいさつ…」
「なに?」
「警察…に助け、求める…」
何言ってるんだ、ルモナージ。
「モナッグ、警察行く…」
「警察なんて行かせてたまるか!それにお前はルモナージだ!」
「ギコくん、どしたの?怒るのヤ、ギコくん。ギコくんヤダ。モナッグ帰る」
俺は気付くとルモナージを蹴飛ばしていた。
「ケホ……」
「しぃがモナーを持ってない男を好くわけ無い。お前はルモナージ!さくらと付き合ってろ!」
「助けて……ギコくん怖い…」
ルモナージは逃げ出す。
俺は勢い良く走り出した。
「逃がすかっ」
「もなっっ」
ルモナージを蹴る。
「もなぁッ」
蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。
「も……なぁ…」
「ルモナージ…お前を帰して…たまるか…」
また蹴りの雨を降らしていると、後ろから声が聞こえた。
「モナッグ?」
ルモナージ……ならぬモナッグの飼主だろうか。
突き飛ばされた気がした。
110番に通報されてる気がした。
モナッグが連れて行かれた気がした。


何もかもが、終わった気がした。








「誘拐犯って、ギコくんだったらしいよー」
「最低だよぅ」
「ふーん…アイツ、そんなに狂気じみたことするんだ。しっかし気付かなかったな」
「やぁだぁ、ワタシ、付き合ってたのにィ」
「しぃ、だったら俺と付き合わないかい?」
「モララーくん、ホント!?是非っ!」



何もかもが、終わった気がした。



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