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STANDARD MAD HERO

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かの有名スレ、すたんでっとまっどひーろーの小説版です

作:一色

TIME 2005/06/23(木) 19:51:22

時間とは過去から未来へ流れるもの。
止めることはできない。
味方に神様でもいない限り。


「覚えているか?前国王の言葉だ」
男の声は、机の上におかれたモニターの中の男に向けられていた。
モニター中の男――――現在この国における国王という位置にいる男だ。
この国がドコであるか、そんな些細なことは今、この物語には関係が無い。
どう言えど、国王は何者にも脅えることも臆することも無いものであろう。

少なくともそうであったはずだ。

しかし、今その顔は、恐怖と焦りで引きつっている。
人を圧するようないかめしさも、全てを統率するという偉大さも感じることができない。
「・・・・何だ」
少々の沈黙の後、現国王は答えた。
慮製だろう強気の口調、モニター前の男はそんなことは意に介した様子も無く、話を続けた。
「『我が国の中心にそびえ立つ建物、あれは我が国のシンボルだ、私の墓はあの建物の上に建てて欲しい
 これは最後の私の願いだ』・・・と、それなのに"現"国王、お前は奴の屍を故郷に連れ戻し故郷に墓を建てた」
モニター前の男はゆっくりと前国王の言葉を復唱した。
「前国王の墓は生まれ故郷に建てるのが我が国の長くからの仕来りなのだ!」
現国王は、反論せずにはいられなかったのだろう、やや、語尾を強めた。

「仕来り?馬鹿か?」

心底呆れた、という風にモニター前の男は現国王に言った。
「まぁ今回この国に来たのはな、奴の言葉通りにするためだ。
 奴とは親しかったし、随分世話になったからな。恩返しってやつだ。
 しかし墓を此処まで持ってくるのは流石に罰当たりだろう?だから・・・・」
男は、心底面白いと言わんばかりに笑った。
その笑顔は現国王に向けたものではなく、おそらくはこれから自分の起こすことへの興奮にも似た感情の表れであろう。
「国の中心にそびえ立つシンボル・・時計台の事だ。それを奴の墓まで持っていく


                根こそぎ全てな」
「何だと?馬鹿な・・・冗談」
「じゃない」
「大体根こそぎ持ってくなん」
「もう爆弾も設置してある。無理に撤去しようとすると爆発するぞ。」
現国王は絶句した。
すでに男は現国王など見ていないすっかり悦に浸っているように、両腕を広げる。
「俺達を誰だと思っているんだ?」
男はモニターを見てはいない。
男は国王を見てはいない。
男は周りを見てはいない。
男は何も見てはいない。
「我々は世界を股に掛ける犯罪グループ」
そして自信たっぷりに。
そして威厳たっぷりに。
脅えることも、臆することもなく。
男は云った。

「STANDARD    MAD ―――――依 頼 受 付 兼 執 行 人だぞ?」

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