「ハァ、ハァ・・・」
凄まじい嵐の森で、二人のAAがふんばりながら歩いていた。
「モナー。やつらは?」
「いない・・・モナか?」
二人は警戒しながら歩き、やっと安心したようだった。
白いAAはモナー。攻撃もできる、呪文もつかえるオールマイティ。
黄色いAAはギコ。攻撃専門だが補助呪文が使える。
「このまま突っ切れば、町へ着く。宿を見つけて温かいスープが飲めるモナ」
ギコは、まだ少しだけ警戒をしている。風の音で自分の足音も聞こえないみたいだ。
「あ、あれは、町じゃないか?」
ギコが光に包まれている町に指を指したとき、ギコ達の目の前に黒装束の奴等が現れた。
「モナー、ギコ。貴様等は我等によって処刑される。決まっているのだ。運命は」
黒装束の香具師は5人いた。右から1番目の香具師から殺気が漂う。
「今回の処刑は右翼の香具師、つーにまかせる。我々は先に行く。頼むぞ。つー」
「お任せください。中心の香具師」
「「「「「我々の意思は総帥の御意志!!!!!」」」」」
5人が口そろえて言うと、右翼の香具師『つー』を残し消えた。
それから何時間経っただろうか。
つー、モナー達は固まったように動かない。
それから数分後、先手はつーだった。
「もう耐え切れねぇ!死ねよ!」
つーは右手に持っていたナイフをギコに一刺し、
その後、宙1回転をし、後ろにいたモナーを数回切りつけた。
「くっそ!やられてたまるか!これでも喰らえ!ファイア!・・・モナ」
モナーの手のひらから火の玉が勢いよく出てきて、つーに当たり
「モナー、俺も援護するぞ!ゴルァ、ゴルァッ、ゴルァッ!」
ギコは装備していた剣を燃えているつーに何回も切りつけた。
「こんなもんか」
そしてつーは黒装束を脱ぎ捨て、言った。
「これで・・・本気か?」
「こ、これで本気だと!?」
つーは、ナイフを投げてきた。
モナーとギコは何とかかわしたが、ナイフはブーメランのようにつーの手元に戻った。
「あ、あぶねーじゃねーか!」
「お前達はすでに逝っている」
「な、何のことだ!?」
「高速すぎておまえらには見えなかったか。当たってるんだよ。すでに、ナイフが!」
つーの言葉を聞いたとき、突然、ギコが倒れた。
それと同時にモナーも倒れた。
「処刑完了。黒装束の香具師5人衆をなめるなよ・・・ヴォケが!」
その言葉が言い終わると、2人を残してつーは消えた。
プロローグ・完