暗黒が目の前に広がっていて、そこに自分はポツリと立っていた。
『・・・けて・・・助けて!』
「え・・・しぃか?」
声の方向に振り向く
しぃを助けようと手を伸ばしたが、あと少しで届かない。
『・・・・・・・・・・・』
しぃは涙を流しながら笑った。
「しぃ!!!・・・・・・・・・・・・うぁ!!!?」
背後がまぶしい。
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「・・・・・そうして世界は二手に分かれた。今では平和条約を・・・年に結び両国とも平和に暮らしている・・#小谷!!小谷ギコ!!」
「お?うおあっ!!?」
目を覚ましたギコは暗闇でなく教室にいた。
「はあ・・・・お前何回目だと思ってるんだ?・・もう引く平常点がないぞ」
「・・・・・・・来月の分から引いといてください・・」
寝ぼけ気味にギコが答えると、どっとクラス全体が沸く。
先生は再びため息をつきながら
「しょうがないから座布団一枚やるか。」
そういうとギコの平常点に「1」を足した。授業がまた再開される。
ギコは窓の外の雲の流れを見た。
「しぃ・・・・・」
しぃは今入院しているそうだ(担任談)
親がいなくて身よりもいなかったため、しぃは親の財産で一人暮らしをしていた。
「(そういやお見舞い行ってなかったな」
そう思うとギコは今日の放課後あたりにでも行くかと全神経は流れる雲に注がれた。