何もかも、嫌になった。
私は小さい頃から周りと適度に距離をとる能力に長けていた。
周りとも無難に付き合い、成績も平均。普通という隠れ蓑に隠れるのが得意
それ故にイジメに対する抵抗力が無かった。
それは、心の痛みを知らないと言う事。
「はあ………」
赤い満月の夜空の下、都会の雑踏の中に1人深いため息をつくガナー種のAA。
3ヶ月前、今の会社に勤めた自分。
―――そして、イジメられている自分。
嫌になった。
イジメる先輩
見て見ぬフリをする同期
セクハラをする上司
通勤電車の中での痴漢
そして、―――――何も出来ない自分。
「自殺すると地獄に行く」ってどこかの占い師が言ってたっけ
……どうでもいいよ。
今の状況も地獄だし、それから逃れられるのなら……
でも、怖い。
本能が死を恐れてる。
体が震えているが、夜の寒さのせいだけでは無いハズ。
死ぬ為にはこの恐怖から逃れなければならない……その為の準備はしてある。
「どうしよっか……」
最後にこの世を見回るため、そして死に場所を求めて外に出た。
喧騒の中、幸せそうなカップルや寒い中、タイトミニのスカートに半そでの格好でしかし辛さを感じさせずに営業スマイルでティッシュを配る女のAA。
幸せそうに見えるカップルにはどんな裏側があるんだろう、この女のAAはどんな生活をしているんだろう。
みんな、それぞれの事情を抱えていて、それを隠しながら人と付き合っている………。
先程から相手の裏側が気になって仕方無い。やっぱり、これは自殺しようという生き物の―――――
「ティッシュどうぞ」
……ハッと我に返った。差し出されたティッシュを受け取る。そこには
「命は大切だと何千何万回言われるより、
あなたが大切だ。
そう言われるだけで生きていける」
……それは、自殺者を余計にめげさせる言葉。誰でも何千何万回と聞かされ、読まされた言葉。
考えてみる。自分の命は大切なんだろうか。
親友とは高卒以来会っていない。電話をかけてもつながらない。親も、私が中学の時に離婚し、母親に引き取られた。
………悲しむのは、母親だけ。いや、それすらも疑わしい。
自分は、生きる価値が無い。誰にも、必要とされて無い。
そう考えると眼が熱くなってきた。もう考えるのはよそう。
手ごろなビジネスホテルを見つけて、チェックイン。
そして、荷物をあてがわれた部屋に置き、屋上へ。
脚が震える……怖い、確かに怖い。でも、日常の方がよっぽど……怖い。
用意していた麻薬―――――夜の公園でやくざに貰った―――――を吸引し、恐怖を和らげる。
凄く楽になった。これなら……飛べる。
ゆっくりとフェンスを乗り越え、目を瞑り――――――――!!
その時、誰かの手が私を引いた
私は小さい頃から周りと適度に距離をとる能力に長けていた。
周りとも無難に付き合い、成績も平均。普通という隠れ蓑に隠れるのが得意
それ故にイジメに対する抵抗力が無かった。
それは、心の痛みを知らないと言う事。
「はあ………」
赤い満月の夜空の下、都会の雑踏の中に1人深いため息をつくガナー種のAA。
3ヶ月前、今の会社に勤めた自分。
―――そして、イジメられている自分。
嫌になった。
イジメる先輩
見て見ぬフリをする同期
セクハラをする上司
通勤電車の中での痴漢
そして、―――――何も出来ない自分。
「自殺すると地獄に行く」ってどこかの占い師が言ってたっけ
……どうでもいいよ。
今の状況も地獄だし、それから逃れられるのなら……
でも、怖い。
本能が死を恐れてる。
体が震えているが、夜の寒さのせいだけでは無いハズ。
死ぬ為にはこの恐怖から逃れなければならない……その為の準備はしてある。
「どうしよっか……」
最後にこの世を見回るため、そして死に場所を求めて外に出た。
喧騒の中、幸せそうなカップルや寒い中、タイトミニのスカートに半そでの格好でしかし辛さを感じさせずに営業スマイルでティッシュを配る女のAA。
幸せそうに見えるカップルにはどんな裏側があるんだろう、この女のAAはどんな生活をしているんだろう。
みんな、それぞれの事情を抱えていて、それを隠しながら人と付き合っている………。
先程から相手の裏側が気になって仕方無い。やっぱり、これは自殺しようという生き物の―――――
「ティッシュどうぞ」
……ハッと我に返った。差し出されたティッシュを受け取る。そこには
「命は大切だと何千何万回言われるより、
あなたが大切だ。
そう言われるだけで生きていける」
……それは、自殺者を余計にめげさせる言葉。誰でも何千何万回と聞かされ、読まされた言葉。
考えてみる。自分の命は大切なんだろうか。
親友とは高卒以来会っていない。電話をかけてもつながらない。親も、私が中学の時に離婚し、母親に引き取られた。
………悲しむのは、母親だけ。いや、それすらも疑わしい。
自分は、生きる価値が無い。誰にも、必要とされて無い。
そう考えると眼が熱くなってきた。もう考えるのはよそう。
手ごろなビジネスホテルを見つけて、チェックイン。
そして、荷物をあてがわれた部屋に置き、屋上へ。
脚が震える……怖い、確かに怖い。でも、日常の方がよっぽど……怖い。
用意していた麻薬―――――夜の公園でやくざに貰った―――――を吸引し、恐怖を和らげる。
凄く楽になった。これなら……飛べる。
ゆっくりとフェンスを乗り越え、目を瞑り――――――――!!
その時、誰かの手が私を引いた