モナー小説掲示板ログ保管庫@wiki(´∀`*)

貴方と居れた日々は幸せでした。 (水月)

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集

 私はこの世界に絶望した。
 生きていても、楽しいことはない・・・と。
 でも、居場所を見つけた。
 やっと、信じることの出来るヒトを見つけた。
    なのに、「さよなら」なんて・・・。
 
 
 私、しぃって言うの。でもね、死にたいって思ってる。

みんなにいじめられて、生きてるのが嫌になった。

死ねって言われて、悲しかった。でもね、1度だけ、本気にしちゃった。

死ねなかったけど・・・。こんな私に、手を差し伸べてくれるヒトがいた。

それは、同じクラスの「ギコ」くん。

前は、みんなと一緒に私をいじめてたんだけどね・・・。



           †

 ガラガラ・・・教室に入り、自分の席に行く。

机には「死ね」とか「馬鹿」とか「邪魔」とか、書いてあった。

私はめげずに、その文字を消す。削除する。

いじめっこたちは舌打ちしている。

(ヒトの机に汚い字でかくなよ・・・。)そう思う。

授業が始まっても、いじめは続く。モノを投げてくる。

私はそれを、何気ない顔で避ける。投げてきたモノはゴミ箱へ・・・。


放課後―・・・。


「お前、うざいんだよ。死ね。生きる価値なんてないんだよ。」

「バーカ。死ね、邪魔なんだよ」

そう言ってくる。でも私は言い返す。

「生きる価値がないのはあんた達でしょ。馬鹿なのも、あんたら。」

「なんだとぉ!!!」

いじめっ子たちは、私に暴力を振るう。男子まで呼んでくる始末。

ひとしきり暴力を振るうと、去っていく。もう慣れっこだ。

「生きる価値のないのは、あんた達だっつうの。」

私はぽつりと言う。そして、帰る。家につくと両親の遺影の前で泣く。

いじめっ子の前では、泣かないってきめていたんだ。

「もう・・・嫌だよ。なんで、先に逝っちゃったの・・・?」

両親は死んだ。交通事故で―・・・。だから、私は一人。

「なんで、私がいじめられなくちゃ、いけないの?・・・何もしてないのに」

そう言って、また泣いた。すると、背後に気配がした。

とっさにしぃが振り向くと、ギコが居た。しぃは泣き顔。

「何やってんだ・・・?」

ヒトの家に勝手に上がりこんで、それはないと思った。

「何・・・っって、ここ私の家・・・。勝手に入ってこないでよ・・。」

声にならない声で言った。涙がまだ零れ落ちている。

「・・・ごめん。」

ギコが唐突に言った。しぃは、何なのか分からなかった。

「俺・・・が、いじめの中心だったんだ・・・。」

ギコは実はしぃが好きだった。それが、空回りして、いじめになった。

「・・・なんで、私をいじめてたの・・・?」

しぃは聞いた。

「・・・分からない。でも、俺、しぃのこと好きだったんだ。」

いきなり告白されて、しぃはびっくりした。

「え・・・?・・・私・・?・・・なんで?」

「・・・分かんないけど、気づいたら、好きになってたんだ・・・。」

ギコが赤くなりながら言った。しぃは、ギコが好きだった。

「うん・・・。私もギコ君が好き・・・。でもね・・・。」

「ん?」

「いじめはよして・・・。」

「ごめん・・・。」

「いいよ・・・別に。」

こうして、次の日から、いじめはなくなりました。

なのに・・・神様は意地悪でした。

「・・・ギコくん・・・私・・・私ね・・。」

「なんだ?」

「余命あと、2週間なんだって。ごめんね。ごめんね・・・。」

しぃは泣きながら言った。ギコは唖然としていた。

「な・・・んでだよ・・。」

「私だって、もっと生きたかった・・・。でも。でも・・・。」

「・・・・・・・・ダメなのか?・・・。」

しぃはコクリとうなずく。でも・・・。

「でも、なんで、学校来てんだ?病院に居なくていいのか?」

「余命が少ないから、好きにしてていいの。ギコくんと、居たかったから。」

「しぃ・・・。」

言葉がなかった。

そして、2週間と2日がすぎた。

「余命すぎたのに、生きてるぞ?」

「うん・・・。でも、病院から出れないなぁ~。」

この日が最後になった。

次の日、ギコの元へ電話が来た。「しぃさんが、会いたいと・・・。」

ギコはすぐに病院に行った。しぃは集中治療室にいた。

ギコが通された。

「ギ・・・コくん。・・・・もう・・さよな・・らだね・・・。」

「おい!!弱気なこと言うな!!」

「でも・・・もう・・・さよなら・・・いままでありがと。」

ピー・・・・・。しぃは死んだ。俺は涙が出ない。


しぃは、この世にいなくなった。でも、いつも俺の心の中にいる。

  「アリガトウ・・・シィ」

               END

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

目安箱バナー