モナー小説掲示板ログ保管庫@wiki(´∀`*)

「25レスごとのお題で小説を書け!」

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
お詫びで書いたのに、こんなになってしまいました…

作:暇人


今日も清々しい朝だ。
カーテンの向こう側から聞こえてくるスズメの鳴き声に耳を傾けながら、モナーは鏡の前でスタンディングポーズを決める。
「フンッ!」

今日もビルダーパンツのフィット具合は快調だ。

「さすがはメイド イン アメリカだ。このフィット感、溺れそうだ!」

続いて、脇腹で両手を組み合わせる、サイド・チェスト。
脈動する筋肉は、周辺の大気を振動させ、窓ガラスと鏡をことごとく破壊し尽くしてしまったが、心配はいらない。
モナーの肉体美パワーは、破壊された全てを元に戻す、神秘のビルドパワー!
この程度ならば、彼が帰宅する頃までには完全に修復されているに違いない。

「OK、サイド・チェストも完璧だ。今日も一日、素晴らしい一日になりそうだ」

満面の笑みを浮かべ、すかさずフロント・ダブルバイセップス。
素晴らしいポーズィング、あまりの美しい笑顔に魅了されたのか、部屋の中の家具が全て木っ端みじんに爆発する。
何と言う美しいエネルギー!
筋肉という筋肉が、まるで芸術品のように輝いている。
モナーは自分の美しき肉体美に気絶しそうになりながらも、その強靱な精神力でもって、おもむろにプロテインを取り出す。
そして、スプーンですくうと、それを口に含む。
刹那!体中からビルドパワーがほとばしる。
今、ほとばしったビルドパワーによって、半径800メートルほど地表がえぐれてしまったが、そんな事は問題ではない。
彼のエネルギーは、まさに神秘!
大地をえぐるほどの肉体美が、今、ここに存在しているのである。
この奇跡、どうやって言葉に言い表せばいいのであろうか!

その時、ふとモナーは時計を見る。
午前7時15分。

「しまった!今日はギコとしぃと3人で、ボウリングへ出かける予定だったんだぁぁぁぁぁ!!!」

激しい肉体の脈動、それによって放出された激しい衝撃は、周辺の大地を滅びに導き、彼の頭上の大気は一瞬にして宇宙に放出されてしまう。
光りとエネルギーが乱舞する中、腰の辺りに後ろ手を組みサイド・トライセップス!
かとなくキューティクルな姿勢のまま、彼は大きくジャンプする。
ジャンプの衝撃によって、地球の形は少々変わってしまったが、彼の美しさの前には、それは微々たる問題である。
約マッハ95で地球を5周半してしまいながら、モナーは待ち合わせ場所である駅前に着地する。
着地後も、決して笑顔とポーズィングだけは崩さない。
さらに、サイド・チェストとジャンプ!
肉体を極限まで鍛え上げた彼でしかなし得ない技に、周辺のビルは一瞬にして粉砕されてしまう。
素晴らしい……まさに肉体の神秘

「モナー!」

透き通る声、モナーが振り向くと、モナーの肉体美ショックにもビクともしない、素晴らしい女性が立ちつくしていた。

「しぃ!遅くなってしまった!」

駆け寄るモナー。
完璧な走行フォーム!
駆け足によって生じた衝撃によって、空間がゆがみ、所々にマイクロブラックホールが出現する。
しぃの足下に隠れるようにしてギコが震えていた。
素晴らしい、肉体美の素晴らしさを知らないギコですら、モナーとしぃの肉体の美しさに、身震いを隠せないのであろう。

「やあ、ギコ!待たせてしまったね!」

申し訳なさに、思わず足下のアスファルトをはぎ取り、上空8000メートルまで投げ上げてしまいながら、モナーは微笑む。

「ヒッ!…あ、い、い……い、いや、いいんだ……あ、俺…その、用事が……」

「なっ!!!なんだって!」
「な、なんですって!!」

ギコがそそくさを帰ろうとする姿に、二人の呼吸が完全にマッチングする。
相乗される肉体エネルギーは、爆発的なエネルギーを放出し、上空の大気を蒸発させ、その先にあった月すらをも爆発させる。

「ヒッ……!」

小さく悲鳴をあげ、座り込むギコ。

「ギコ、俺が、俺が遅くなってしまったばかりに、うぉぉぉぉぉぉ!!!」

モナーの雄叫びは、世界を揺るがす。
この衝撃的な肉体の脈動は駅を吹き飛ばし、モナーの胸筋かな放たれた肉体美が具現化されたビールは、遠く宇宙の彼方を目指し放出されていく。

「モナー、こんな時こそ、私たちの肉体美をさらに協調するために、ワセリンを!」

「そうか!!その手があったか!!」

起死回生のしぃの言葉に、その感動を隠せないモナーは涙でむせび返りながら、ワセリンを取り出そうとする。
だが、ここに悲劇が待っていようとは、誰が想像したであろうか!

「ワセリンが!ワセリンが切れてしまっている!!!」

ボカン!という爆発音と共に、肉体ショックがモナーの周辺の大気を対消滅させ、爆発する。
何という悲しい叫びなのであろうか!
ワセリンは、ビルダーにとっては命と言っても過言ではない、肉体を美しく見せるベストアイテム!
そのワセリンが切れている、それは、ビルダーにとっては死活問題!

「大丈夫よ!こんな時こそ、ビルダー御用達の専門店!」

「そうか!ゴッツィリィップスポーツ店かっっっ!!」

ゴッツィリィップスポーツ店……この、頬の筋肉を必要以上に使用する発音法でしか口にする事が許されないスポーツ店は、ビルダー発祥の地、ジャーマンに存在している。
だが、モナーのビルドパワーを用いたとしても、ジャーマンまでは長い道のり!

「仕方ない…こんな時こそ、ボディ・ラングウィッジしかない!」

「そうよ!ボディ・ラングウィッズィしかないわ!」

二人はうなずき合うと、一気にポーズィングの姿勢に入る。
肉体から放出される、魅惑のエネルギー!
力強いプロポーション、完璧なフォーム!
アピールはもはや完璧という言葉だけでは言い表す事は不可能である!!

「ハァッッッ!!!!!」

モナーはエネルギーを注ぎ込み、全身の筋肉を奮い立たせる。

「分かったわ!それは、「M」ねっ!!」

しぃが、常識にとらわれない素晴らしい理解力によって、モナーが放つボディラングイッジの意味を読み取り、涙を流しながら叫ぶ。

「ゥオリャャャ!!!」

「それは…「W」!」

「これで最後だ!ウオォォォォォォォォ!!!」

「そ、それはっっ! 「1年分」 !!!」

あなたは今、人類の進化を目撃する。

モナーの美しいエネルギーは、なんと、一回のボディラングイッジで「3つ」の言葉を発生させたのである!
素晴らしき肉体美パワー!
人類は、産業革命以来の、とてつもない革命に遭遇したのだ!!
今、送信した5つの言葉によって、地球は大きくえぐられ、人類は滅亡寸前まで追いやられてしまったが、そんな事は問題ではない!
今、モナーはワセリンを注文し終えたのである!
これほどまでに感動的なシーンを、あなたは見た事があるだろうか!!

さらに、あなたは気づいているだろうか。
今、モナーは生まれたばかりの新しい通信手段「ボディラングイッジ」で暗号化をやってのけたのである!
『M・W・一年分』
それは…モナーのワセリン、一年分!!!



「よし!注文は完了した!!後は、品物を取りに行くだけだぁぁぁぁぁ!」

「行きましょう!愛と感動のワセリンを受け取りに!」

ギコはブルブルと震えながら、感動的かつ美しいシーンを呆然と見つめている。
その時、モナーがギコの手を強く握った。

「…あ、あれ……?」

「ギコ!行こう!素晴らしいワセリンを求める旅へ!」

「ギコくん!ワセリンが私を…いいえ、私たちを呼んでいるのよ!!」

「なんで俺がっ!イヤだ!離して……助けて…助けてくれぇぇぇぇ!!」

恥じらいのためか、大きく首を横に振るギコを担ぎ、モナーとしぃは飛び立った!

ありがとうモナー!
君は我々に美しい「肉体」とは何であるかを教えてくれた!
おそらく皆は、君を堕天使を呼ばれるだろう…
だが、我々は知っている。

君の事を、我々は決して忘れない!


[了]

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

目安箱バナー